身分不相応な自由。。。

・じぶんが持ってる身分不相応と言われそうな高いもの。
 それは、なんだろう?
 「ほぼ日」のなかで、ちょっと話していた。
 女性の方々は、服やバッグや靴が多かった。
 誰になにを言われようと、止められないものだったって。
 考えに考えても、買うために考えたんだって。
 そうか、そういうところに「自由」があるんだね。
 
 いわゆる、役に立つだとか、ためになるだとか、
 得をするだとか、価値が上がるだとか、
 まったく関係ないんですよね、そういうときって。
 言い訳としては、いろんなことを言うんだけれど、
 ほんとは、「買わせて!」という叫びみたいなものです。
 
・「お祭り」に夢中になる男たちのことは、
 「バカを承知の祭好き」みたいな話題になりますよね。
 ケガする人が出る、街の施設が壊される、喧嘩になる、
 時としては猥褻である、風紀が乱れる、教育によくない、
 たくさんの出費がある、いろんな人たちに迷惑がかかる。
 そういうことを、いちいち合理的に検討していたら、
 たいていの「お祭り」は中止にするしかないでしょう。
 だけど生き残っているわけです、「お祭り」。
 「お祭り」をする「自由」というやつは、
 やり続けていないと失われるものなんだろうな。
 
・ふとね、「罪と罰」っていうもののことを考えててね。
 寝る場所があって、食事が確保できていて、
 運動や、多少でも娯楽などがあるのだとしたら、
 それはホームレスの人が冬の路上で寝ていることよりも、
 ある意味、楽なことなんじゃないかと考えたんですよ。
 なのに、懲役何年とかね、刑務所とかに入るのって、
 どこが罰としての意味なんだろうと思ったんです。
 そして、たぶん「自由」ということに
 関わる問題なんだろうな、と想像しているわけです。
 で、ぼくらは、それこそ刑務所の外の「自由」な場所で
 生きているわりには、「自由」を大事にしてないな、と。
 じぶんのほうから、めんどくさいとばかりに、
 「自由」を安い値段で売り渡しちゃってるかもしれない。
 他人の自由なんか一切認めたくないって考えも、
 この世の中には、けっこうあるもんなぁ‥‥。

自由って立派なものじゃなくて、馬鹿みたいなものかもよ。 

(2012年10月31日/ほぼ日刊イトイ新聞/今日のダーリンより)