「ロック」という概念。。。

・今日は、特にまとまった考えもなく書いてみます。
 何度か思ったことを、ここに投げ出してみます。
 「ロック」という概念だか、思想だかについてです。
 
・ぼくがビートルズに夢中になっているころには、
 ことさらに「ロック」とは言われてませんでした。
 「ロックンロール」ということばはありましたが、
 それはちょっと昔っぽいシンプルな音楽でした。
 エルビスとかチャックベリーとかね。
 ビートルズがメジャーデビューする前に
 ハンブルグでやっていた音楽とかです。
 日本では矢沢永吉のいた「キャロル」が、あえて、
 この古くてノリのいいロックンロールをやっていました。

・「ロックな生き方」だとか「あいつはロックだ」とか、
 「そのほうがロックだろう」とか、
 生きる姿勢みたいにロックが語られるようになったのは、
 いつごろからなのか、ぼくにはわかりません。
 ヒッピーは、音楽聴いてもぼんやりしてましたから、
 「俺はロックだぜ」とは言ってなかったでしょう。
 
・ロックというのは、日本では、
 「歌謡曲」に対しての概念だったり、
 「芸能界」に対しての主張だったり、
 「フォーク」に対しての「ガンとばし」だったり、
 「社会」に対しての反抗の姿勢だったりでした。
 なにか「敵」を先に決めることによって、
 じぶんたちの存在を「ロック」としてきたようです。
 
・そうすると、ロックというのは日本語に直すと、
 「反」ということになるのかもしれない。
 音楽を聴いていて感じる印象としては、
 ロックというのは「衝突」のようにも思えます。
 機械文明が発達してきた時代に、
 「工場の騒音」に乗せた叫びとして発達したのかなぁ。
 その後、衝突のない電子音が登場してくると、
 ロックの勢力は、だんだん薄まっていきましたよね。

ニーチェは神は死んだとまで言っちゃったけど、
 ロックは「復刻」の時代に入ってるような気がします。

(2012年12月24日/ほぼ日刊イトイ新聞/今日のダーリンより)